ちえこ風呂具

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本当に怖いのは

昨日の記事のリファラが久々にすごいことになってました。なんか検索の仕方によってはここが3番目ぐらいに来ちゃうのね…うおおい…。再度、あのメールの件でチェックしたら思ったより信じてしまっていた人が多かったようです。なんだろうなあ、やっぱり人の命の問題だけに冷静でいられなくなるのかなあ。
あと、記事を読んでると、チェーンメール=事実無根のデマ、と信じてる人が多いのがわかりました。あのメールを事実だと信じて廻してしまった人に「チェーンメールですよ」って言うと皆簡単に「これはうそだったんだ」って思ってしまうようです。「騙された」って言う人もいますね。実際にはあれが事実だったとしても、1.発信者のはっきりしない、2.多数の人の手を経ていて、3.複数の人にひろめるよう呼びかけるメール、というのはチェーンメールには違いないんですけども。
今回私が知人に「これはチェーンメールだよ」と告げたのは、これは2000年の時の模倣犯が廻したんだろう、と思ったのと、昔こういったメールで何度かトラブルが起きているからでした。もしこのメールが事実だったとしたら、私は知人に何も言わなかったでしょう。たとえば晴くんに関するきちんとしたページなどが存在していて、そういうところでも献血を促す記事があってトラブルの可能性が低かったとしたら。多分私個人としてはメールを廻すことはないけれど、廻す人を敢えて止めなかったと思います。
私はチェーンメールが絶対悪だとは思っていません。信憑性はともかくとして、情報を広めるにはチェーンメールは高い効果を発するでしょう。ただ、私は誰かから来たメールを他の誰かに転送するというのが元々好きではありませんからしません。単にデータを友人に廻すとかならまあそれはいいんですけど、ああいう誰かにものを頼むメールは転送ですませたくありません。人にものを頼むにしては、手軽すぎるんです。
あのチェーンメールを廻した人達っていうのは、きっと殆どが善意でもって廻していたんでしょうけど、でもきっと深く考えずに廻してたんだろうと思います。病気にかかっている晴くんは実際に知っている人でもないのに、誰が最初に発信したのかもわからないのに、事実を確認することもせず、簡単に「人の命がかかっている、だからこれは事実である」と信じてしまう…それはとても恐ろしい事です。もちろんいろいろ調べた結果メリットとデメリット、両方を考慮した上でどっちを選ぶかはその人次第です。私は今回「ウソである可能性が高い」「トラブルになる可能性がある」とデメリットを考えて止めたんですが、2000年のときはそれで助かった人がでたわけですから、そっちの可能性を信じて廻す、というのも(個人的にはどうかと思うけど)アリだと思います。
でも何も考えずに廻すのは、悪意のチェーンメールよりも性質が悪いです。それで人が救われるならいいじゃない、という安易な善意は、最初に送信した悪意(かもしれない)よりも、実はもっと怖いのです。
何故なら、このメールはもしかしたら最初はチェーンメールじゃなかったかもしれないからです。普通に困っている晴くんのお兄さんかお姉さんがたまたま友人に相談して、その友人が周囲の極親しい友人のみにあの原文を送っただけかもしれないのです。その中の一人が「もっと沢山の人に知ってもらうべきだ!」とその原文に「できるだけたくさんの人に廻してください」とつけたとしたら、そしてそれを受け取った人が「じゃあMLでも知らせてもらったらもっとたくさんのひとに知ってもらえるよ!」と思ってそういった文面を添えたとしたら*1…それはもう完全なチェーンメールです。そうして善意でみんながこのメールを送っているうちに、受け取った(チェーンメールを理解している)何人かが「それってチェーンメールだよ。送らないほうがいいよ」と言いだします。すると「え?チェーンメールだったんだ。騙されちゃった!」となります。そしたら晴くんは本当に病気でB型RH-の輸血が必要だったのに、それがウソになってしまうのです。
まあ実際は日赤の血液確保のシステムや前歴から考えても、今回はデマである可能性の方が高いのですが、こういったメールがまた何年か後にやってきたとき、それが本当に治療と情報を求めているものであったとき、この安易な善意が全てを台無しにしてしまうのです。
そういうことを考えると本当に怖いのはなんなんだろうなあ、と思います。

*1:少なくとも私のところには原文に「この文章を友人に送っていただけると嬉しいです」「MLに流してもらって構わないです。というより、一人でも多くの人に協力してほしいので、是非MLで流してください」と添えてありました。