ちえこ風呂具

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光とともに… 10話・最終話

10話は光くんお手伝いをする+光パパ(山口達也)と琴美パパ(大倉孝二)のコミュニケーション。琴美パパは非常にちゃらんぽらんで、琴美ちゃんの事も諦めてしまっていて、毎回母親(井川遥)と大喧嘩なんですが、本当は父親も琴美ちゃんが可愛かったのだ。でも自閉症という、一種周りの人間を認識しない自分の娘を見て失望してしまう。
「そのうち就職して働くようになって、プレゼントなんかくれちゃったりして」
そういう琴美パパの姿は、雅人が光君に対して「一緒にサッカー」という夢を見て、でも現実はそういかなくて、サッカー場でため息をついていた姿と被ります。
皆夢を見る。結婚したら素晴らしい結婚生活を、子供が出来たら子供の素晴らしい成長を。その夢は皆同じようであるのに、現実は様々です。でもその現実の中、夢は姿を変える事が出来る。それはある意味妥協のようにも見えるけど、でも現実から目を背けて叶わない夢を見るよりも、実は幸福で、幸子の「でも今は…100円でも稼げるようになってくれればいいです」の言葉は現実を見据えた夢なんですね。そしてこの後の琴美ちゃんがカセットで「おとうちゃん、だいすき」と鳴らすところ、もうボロボロきました。目標はそう本人が口にすることだったけど、現実はカセットのボタンを押すだけ。でもそれでも十分に琴美ちゃんの気持ちが伝わってくるんだからそれでいいのよね。
もう一つ、この回で非常にいいなあ、と思ったのが里緒先生の
「確かに光君は一生、誰かの手助けが必要です、でもそれはお母さんの手で無くても良いのです」
という言葉でした。親だけが光君を支える手ではない。その言葉が必要なのは多分、世の中全てに対してもでしょう。皆が支えあっていける社会、それは理想だけど、でもこの大きな夢は諦めてはいけない夢です。もちろん彼らには必須なんですけども、やっぱり里緒先生はすごいなあ。もちろん、川見先生の「可哀想じゃありませんから」も。川見先生も成長したなあ。

そして最終回ですが、
うまくまとめたな、と。あ、いきなりそこへ行くか?それにしてもこのドラマらしいラストでした。
里緒先生がいなくなる事により、やはり不安を隠せない東家。それを象徴づけるような光君のパニックを描いたオープニングと、順々に自発登校ができるようになっていく光君の成長っぷり、しかしラストは明るい未来だけではないのです。
この先沢山の困難が待っているという事を暗示されるようないっけい先生の入院、そして新しいぐんじ先生の登場。
これ、私は原作のこのへんを読んでいたので新しい先生の存在も知っていたんですが、途中まで見ながら「あ、これは一応ハッピーエンドにまとめるのかなー」と思っていたら、やっぱり?(笑)。期待を裏切らないような、ある意味裏切られているような、そんな印象です。
なんとなくこのドラマは希望はもちながら、でも決して現実は忘れない、というスタンスを保ち続けてきたので、ラストもそうだったなあと思いました。
それにしても光とともに…は本当に良いドラマでした。このドラマを見ながら思ったのは、成長するのは子供だけじゃない、という事でした。子供と共に親も成長していく、祖母も成長していく、先生も成長していく、友達も、周囲すべてが成長していくドラマなんだなあと。
幸子が最後、焦らず、じっくりと自発登校を教えてゆく姿と、以前理解のなかった老婆が、幸子と光君の姿を通して理解を深めてゆく姿は、それを簡潔にまとめているように思いました。本当に幸子はいつも急ぎすぎたり、いっぱいいっぱいになって苦しんだりしていたので。でもラストが案じしたように、これから先も厳しい現実と、自分や光君のの姿に沢山悩んでいくんでしょう。そしてその中で成長していくんでしょうね。
最後に、自閉症の子が居て当たり前、と思える社会がくるように、私達もこのドラマを通して沢山勉強できました。これからも学ぶ事を忘れないようにしていきたいと思います。