石鹸と洗剤

石鹸は調べて見るとなんだかおもしろそうです。作ってみたいなあという気持ちもあるんですが、正直これ以上趣味を増やすのは怖いし、石鹸を作るには時間が必要になるみたいなので諦めて購入とかを考えています。薬剤を使うのもちょっと怖いですし…。
先日は薬事法などを無視したネットショップのお話をしましたが、合法な手作り化粧石鹸のお店もちゃんとあります。なのでそういうところから一度購入してみようかなあと思っています。
で、法律と石鹸のお話です。身体や顔を綺麗にするための石鹸は、薬事法で全て「化粧品」という扱いになります。ちなみに「除菌」や「皮膚病の治療」などに使われる石鹸は「薬用石鹸」と言われ「医薬部外品」の扱いになります。両方とも製造して譲渡や販売を行うお店や個人には必ず「製造許可」と「販売許可」が必要になるという事になっています。そして製造した品物は其々製品登録を行わなくてはなりません。ちゃんとした薬局や化粧品やさんで売られている化粧品、化粧石鹸と呼ばれるものは全てこの認可を受けた会社が製造し、登録を行った後で私達消費者の手元に届いています。
なぜこういった厳しい検査や認証が必要なのかといいますと、顔や身体に使うものが、安心して使えるかどうか、そういったことを消費者が購入する前にきちんと確認するためなのです。誰しも、誰がどういう状況で何を使って作ったのか、それが手に触れても大丈夫なものなのか、そんなものがはっきりしないものは怖くて使えないですよね。それを誰に対しても証明できるためにあるのがこの法律です。この認証や登録を行うためには製造環境等に厳しいチェックが入ります。
ところが石鹸には身体に使う為ではない、洗剤としての役割もあります。これを「洗濯用石鹸」や「台所用石鹸」と言います。こちらに適用される法律が「家庭用品品質表示法」というものです。成分がわかりにくい家庭用製品に対して、消費者がその品質を認識しやすいように表示する義務を求めるのがこの法律です。こちらでは認証などは要りませんが、そのかわり「洗剤」としての表示しか許されませんし、使用用途も厳密に指定されます。つまり洗剤を洗剤以外の用途で使うことを示唆するような言葉は使えません。例を出すならば「これは肌に良いので洗顔や手洗いにも使えます」とは書けません。が、先日書いたとおり、手作り石鹸を販売しているネットショップではよく「雑貨石鹸」と称して化粧石鹸の販売がされています。家庭用品品質表示法で定められている石鹸のお店で、普通に赤ちゃん用石鹸が売られています。それは石鹸を販売したいけれども、個人で薬事法における製造販売許可を取得するのが大変難しいから、と言われています。これ、皆さん堂々と書かれているのですが…これっていいのかなー…と思います。というのもこれを記入してしまうと「私は法律違反をしていますよー」と宣言しているようなものだからです。そして「だって許可を得るのってお金もすっごくかかるしいろいろ難しいんだもん」と法律違反をするのは仕方の無いような言い方をしているのです。でも私は言いたいのです。
じゃあなぜちゃんとした洗濯用石鹸、台所用石鹸として売らないの？
ちなみにネットで検索するときちんとした手作りの台所用石鹸のサイトというのはあまり見かけません。不思議なぐらい「台所用石鹸として扱っています」という言い訳ばかり引っかかります。もちろん合成石鹸などで弱った肌を傷つけていた人達にとって、無添加の手作り石鹸はすばらしいものでしょう。この肌によい石鹸を皆の肌で実感してもらいたい、洗剤として使うなんて勿体無い、そういう気持ちもよくわかります。しかし、色んな手を尽くして手作り石鹸を合法で販売されている方もいらっしゃいます。それに、あまり石鹸に詳しくない私から見ると、そんな安全性の不確かなものを洗顔石鹸として売っているよりも、家庭用石鹸として売られている方が、ずっと安心して使える気がするんですよねえ。なので出来たらちゃんとした台所石鹸を売ってほしいなあと思います。そして化粧石鹸は合法のお店などを紹介する等していただきたいですねえ。でもキッチンソープと販売するのはニの次、三の次なんですよねえ。うーん…残念…。