海へ散歩してきました
金曜日の仕事中の事でした。なんかもー身体的にも精神的にもすごく疲れてきて助けてーってなって、唐突に「海に行きたい！！すっごく海を眺めたい！！」という衝動にかられました。
ただ、仕事終わりで海に行っても真っ暗なので「しんどい…でもどうしよう！夜の海に行って意味があるのかな…でもしんどい…いやでもできたらちゃんと海が見たい」という悶々と悩みまして、本屋で海の写真を探してみるとかそういうのをして誤魔化せないものかと思ったのですが結局ダメでした。
海外とか沖縄の海とかではダメで、瀬戸内海の…というか神戸の海を見たいんだー！となって、結局今朝、早朝に海を見に行って来ました。バスで１５分で行ける場所でよかったです。ホント、200円で行けちゃうってなんて素晴らしい！
道中、バスの中でぼやっと紅葉していく木々や、次第に見えてくる海を眺めていたら、以前は海を見るとウキウキしたり、そうかと思うとすっごく切なくなったりして「なんで海を見るとそんなふうになるんかなー。海の無い場所に住んでたからこんなに色々思うのかなー」って思ってた事を思い出しました。そして「海だ、すごい綺麗だ、すごくこの景色が好きだ。そういや最近ずっと忘れてたけど、海を眺めるのが好きだったんだなあ。」と嬉しくなりました。そんな嬉しい気持ちで舞子から垂水まで海岸線を歩きました。
舞子から見る海の景色は明石海峡大橋と淡路島が合わさって大変美しいです。以前もよく須磨海岸から淡路島を眺めていたのですが、私は瀬戸内の小さい海がとても好きです。それだけでもめちゃくちゃ癒されたのですが、それ以外にも興味深い風景がここには沢山ありました。
- 海辺には沢山の人が老若男女問わず釣りを、家族や、友達や、一人で楽しんだりしています。そんな人達の釣り糸を投げる時のあのピュッていう音や、細い糸が海に伸びる瞬間もなんだか美しかったとか。
- 海辺では小さい老犬を散歩させてるおじさんが煙草を吸った後で、散歩を開始しようとしていました。でも犬の方はまだここでのんびりしたいのよーってじーっと伏せてるその1人と1匹の対比とか。
- 歩いていると近所の警察官のおじさんが自転車に乗ってパトロールをしてて、でも海ばっかり見て「今日の海も綺麗やなー。こんな場所を自転車で回れて幸せやなー」って言いたげな表情とか。
- 散歩の途中のてくてく歩いてる犬が通りすぎて行くジョギング中のおじいさんを見つけてウズウズして、遂に我慢できなくなって走り出してしまってる姿とか。
- 工事現場の茶パツのお兄さんは、工事で遠くまでほこりっぽくなってしまった歩道を一生懸命箒で掃いていました。頑張って綺麗にしようとしている、その背中とか。
- 海辺のお店がたくさん並んでいる通りにはテーブルと椅子が置いてあって、開店前のお店の前で散歩を終えたらしいおじいさんやおばあさんが、そこに座って楽しげに談笑していました。そののんびりした姿とか。
そして浜辺を歩いていると海藻がところどころに打ち上げられており、そんな砂浜を見ていると不意に「椰子の実」の歌が口をこぼれて出てきます。浜辺には花が咲いています。海藻にも似た葉と小さな花です。海に咲く花はこうやって陸地の花になったんじゃないか、とそんなふうな想像をします。そうして全ての生き物は海から生まれてきたのだ、という事を思い知ります。
浜辺を歩くとさざなみが足元までやってきます。そのさざなみの、白い泡と透明な水色と、水底の湿った砂のコントラストが美しいです。ざくざくと足元でなる細かな砂の音と感触が心地よく感じられます。身体で感じるいろんなものが美しいです。
そうやって海辺を歩きながらいろいろなものに癒されている自分を感じました。いろんなものを見る力がよみがえってきて、そんな心に呼応して身体の重かったり痛かったりしたところが自然と軽くなる、そんな感じがしました。
同時に最近色んな事を考えすぎて、頭でっかちになってわけわからなくなっていた自分を感じました。実は前に海を見ながら色んな事を思っていた頃も、同じように色んなものにがんじがらめになって、周囲の人間や家族や色んな事が窮屈になってしんどくなってたんですよね。以前はそんなときにはよく仕事を家人に内緒でこっそり会社を休んで、ひたすら電車の車窓から海を眺めたり*1、街中を一日中一人でブラブラしたりしていたのですね。でも流石に今は簡単に会社を休んだりできる立場じゃなくなりましたし、色んな事を考えると家族に内緒、というのも難しくなりました。なのでまあ、心の休める事とかをすっかり忘れていたのですが、やっとそれを思い出しました。
ちなみに7時半に家を出て、帰ったのは10時！！2時間半の小さな旅行でした。楽しかったです。
帰ってきたら母がびっくりしてました*2けどね！
