ちえこ風呂具

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プリンスアイスワールド2015 4/26 横浜公演

すっかり以前の話になりますが、4月の末に横浜で行われたプリンスアイスワールドに行ってまいりました。初めてのアイスショーです。
このアイスショーに行くのを決めたのは本当に衝動的でした。実はファンになったばかりの1月に神奈川スケートフェスティバルというアイスショーがありまして、そこで織田君が滑った「リバーダンス」がツイッターでものすごく評判が良かったんですね。その感想に「ああ見たい!織田君のリバーダンスを見てみたい!」と思ったのですが、何せ神奈川、神戸からでは4時間はかかります。突然翌日に新幹線に乗って別日の公演に参加するほど気持ちにも時間にも余裕はありません*1。ということで「織田君のリバーダンスは見たい、けど多分今年1年はどこかで滑るだろう。それまで我慢…」とあきらめました。アイスショーのチケットはTOKIOのライブと比べれば倍ほどしますし、可能性は低いとは言え、年内にTOKIOライブがないとも限りません。なのでアイスショーに関しては、出来ることならば少しでも近場で行われる公演に参加できたらいいなあ、ぐらいの気持ちでした。
ところが、神奈川スケートフェスティバルが終わった直後にツイッターで織田君が「新しいプログラムの練習を始めます」とつぶやいたのです。
な!!なんですとーーーー!!リバーダンスを見ていないのにもう新プロだとーーーー!!
と衝撃を受けた私はそれまでの「まあ、いけたらいいかな」控えめな希望を捨てて、その日から一番開催日とチケット販売の早いアイスショーを調べ、チケット販売情報が出たと同時にチケットを購入したのでした。
そう、それがこのプリンスアイスワールドでした。
プリンスアイスワールドは、プリンスホテルが主催のアイスショーです。私はどういったアイスショーなのかほぼ知らずに購入したのですが、全体的な印象でいうならば日本人の、日本人のためのアイスショーという感じ。演出は今村ねずみさんで、テーマがかっちり決まっていてそれにあわせてチームの方たちが様々なパフォーマンスを行うという、今まで私がテレビで見ていたアイスショーとは少々感じが違いました。なんというか今村さんらしい感じのダンサナブルな演目が多かったと思います。もちろん私達が良く知っているスケーターはそういうテーマとは関係ないプログラムだったのですが、あくまでそれはゲストで、メインはチームの演技、という印象でした。
私はあくまで織田君の演技を見るためだけに参加したのですが、このチームで行われるショーの要素も思いのほか楽しく見れました。特に2部のシネマの演出では、チャップリンとシネマの妖精との夢の世界が繰り広げられていて、とても感動しました。私はチームの方たちは名前もほとんど知らないのですが、非常にパフォーマンスのうまいスケーターの方たちもいましたし、日本におけるアイスショーが有名なゲストのソロの演技を見るものだけではなく、ひとつのエンターテイメントとして見せていけるものとして今後も発展して続いていけばよいなあ、と思いました。
ここからはキャスト及びゲストスケーターの演目についての感想です。長いのでたたみます。

太田由希奈さん「龍神伝説」

NHK杯などで解説もされている由希奈ちゃんですが、まったりした声のイメージとは違って姿はとてもシャープ。勢いがあるのにスケートが滑らかでとても美しく、和の演目にとてもあっていました。私は「どんなプログラムにでもひとつはきちんとしたジャンプが欲しい」と思う人なのですが、彼女の演技にはジャンプがなくても魅せる力がありました。

本田武史さん「ミッション」

MWOをテレビを見たときの印象は「く、くるしい…特にスピン…」でしたが、生で見る彼の演技はとても男らしく迫力があって見ごたえがありました。本田くんといえばジャンプとともにイーグルがすばらしいといわれているのですが、生で見た彼のイーグルは本当にすばらしかった。感想見るとつまらないと思うんですけど、でも見ちゃうとどうしても「イーグルがすばらしい」って言いたくなるんですね。ジャンプもすごくダイナミック!着氷もダイナミック!!

樋口新葉選手「マスク・オブ・ゾロ」

樋口選手を去年の全日本選手権をテレビで見たときはコメントもそうでしたが演技そのものに関しても「まだまだジュニア」という印象でした。しかし今回見た彼女はすっかり女性の様相。とても中学生とは思えません。演技ももともととても上手なんだと思います。細やかな振り付けもきちんとできていて、でももちろんジャンプもしっかり跳んでいてノーミス!成長著しかったです。今シーズンが非常に楽しみな選手の一人になりました。

小塚崇彦選手「レスペート・イ・オルグージョ〜誇りと敬意(ファルーカ)」

生で見る小塚選手はなかなかにストイックで涼やかな風情がありました。テレビで見ていてもいつも思うのですが、スケートが本当に軽い。私は彼のキャメルスピンがとっても好きなのですが、このときも非常に正しい形のキャメルで「おお、すごいな!」と思いました。最近あちらこちらで色気を振りまいている小塚選手ですが、今回私の席のほうではあまり目立った振り付けなどはなかったので、悩殺されるとかそういったことはありませんでした。あと個人的にはフラメンコよりもタンゴのほうが小塚選手らしい気がします。

安藤美姫さん「子守歌」

滑らかで穏やかな曲と振り付けなのですが、そのスケートは柔らかい中にも力強い美しさがあり「ああ、彼女は世界女王にもなった選手なのだ」と思わされました。演技を見る前はなんとなくここ最近のテレビのイメージが残っていて、最近の彼女はどうなのかな?と思っていたのですが、演技を見る安藤美姫はプロのスケーターでした。トリプルサルコウもしっかり決めていて見ごたえのある演技でした。

鈴木明子さん「Mozart! 星から降る金」

彼女のスケートも素敵だったのですが、このときは少々退屈さを感じました。彼女の演技は毎回とても好きなのでどうしてだろう、と何度も考えてしまって、後半に入って私自身が疲れてきたのかな、とか、前後の演技も落ち着いた曲調だったのでそう感じたのかな、と色々考えていたのですが、テレビ放送を見た結果、これはあくまであっこちゃん比ではあるのですが緩急があまりないのが原因かな?と思いました。FaoIの静岡公演の放送ではそのイメージもあまり感じなかったので神戸公演でどういう演技になっているか、個人的に期待したいところです。

町田樹さん「シューベルト 4つの即興曲 Op.90,D.899 第3番 変ト長調

町田くんは本気、でした。彼の内面に向かっていく表現みたいなものを見せてもらいました。もちろん技術も全然落ちていませんでしたし「これなんで競技プロじゃないんだろう…」というぐらい要素も詰め込んでいました。でもそれは全て彼が表現したいものに沿ったもので競技のためのものではないのだろう、とも感じました。私は彼のバレエを機軸とした所作が好きなのですが、今回もその振り付けのひとつひとつを美しいなあ、と思いながら見ていました。彼の背中が好きなのですよね。そしてなんと言っても多分なかなか出会えないであろう、引退後の町田君の演技が見れたのも非常にラッキーでした。

荒川静香さん「アヴェ・マリア

美しかった、すてきだった、というのがおおむねの感想です。荒川さんといえば確か去年??今年??出産されたのですが、そんな、あのお腹に一人の人間が入っていたとは思えないぐらいすんごい細い身体で、尚且つそのスケートに衰えというものを感じさせないのが、さすがとしかいえませんでした。思わず魅入ってしまいました。テレビでぼんやり見ているだけではわからないのですが、彼女はすばらしいスケーターでした。

最後に織田君レポート「スター・ウォーズ 帝国のテーマ他」

毎回好きなものの感想は最後にとっておくのが私なので、本当は2部の最初の方の演技だったのですが織田君のことも最後に。
元々織田君のリバーダンスの演技が見たくてチケットを購入したこのPIW。でも始まる前に彼が新しいプログラムを二つも練習していることを知っていました。そのひとつは宮本賢二さん振り付けの曲名が不明のプログラム。もうひとつはジェフリー・バトル振り付けの「愛の夢」。この時点で「もう、リバーダンスはないな…」とあきらめの要諦でした。じゃあもう新しいプログラムを楽しもうじゃないか!どっちにしても生織田君のスケートは見たかったわけだし!と気持ちを切り替えて新幹線に乗り込みました。で、その新幹線の中で衝撃の情報が。どうも今回のプロは「ダースベイダーの曲」らしい、と!それも合間に「栗コーダーカルテットの帝国のマーチが入る」とも!
せ、せめて最初に見る演技は正統派で行きたかった!しかしそれも織田君らしいといえばらしい…。
ところで今回のPIWはスケーターが出てくる時にアナウンスが一切ありません。誰が出てくるかどうかは正面のモニターで確認するしかないのですが、私のいる席からは角度の関係であまり見れないと言っていい状況です。でも織田君はすぐわかりました。だって長いマントと細長い棒のようなものが見えるんですよ。シルエットだけで「あ、マントだ、これは織田君だ」という感じです。
これが最初めちゃくちゃかっこいいんですよね。帝国のテーマにあわせて黒いマントをひらりと翻し、ライトセーバーを手に持ってなんと、華麗に3A!(間違えました、録画をチェックしたら3Aを跳んだときはライトセーバーもマントも外していました。衣装をつけたまま跳んだのはバレエジャンプでした)もうこのままかっこよくてもいい!!かっこよいまま華麗に終わってもらっていい!!…なのに途中であの栗コーダーの力の抜けたゆるーい曲調に変わります。でもそのスケートは全くゆるくないのです、なんせトリプルのコンビネーションも跳ぶのです…なぜ…気の抜ける曲に合わせてそんな素敵なジャンプを…??もちろんつなぎもきちんと入っています。ハイドロブレーディングも入ります。ゆるーい曲に合わせて相変わらずののびのびとしたステップが入ります。そして最後にダンサナブルな曲調にまた変わってがんがんのステップ。最後は開脚ダウンで修了。
なんだこりゃ?これはかっこいいの?おもしろいの??へんなの??へんなの???へんなプログラムなの??!!
という印象でした。しかし生で初めて見てつくづく感じたのは彼のスケートが私は本当に好きだということでした。とにかく織田君の柔らかくのびるスケートがすごく見ていて気持ちがいいんです。スピンにしてもそうですけれども彼の柔軟性をいかした上半身の動き、膝からぐいーんとのびるスケート、そして軽やかなジャンプ、その全てがとてもしなやかで美しく見えて、ああ好きだ、このスケートがとても好きだ!と思った次第です。
また人柄という意味ではふれあいタイムも見ものでした。私はS席でしたから声をかけたり触れ合ったりといった事は一切せずその姿を眺めていました。織田君の周辺は笑顔が絶えず、時折どっと盛り上がったりしていました。スケーターを止めて写真撮影は事前にスタッフからとめられていたのですが、それでも時折ポーズをとったりしてスタッフの方が苦笑している姿が見えました。ただスタッフがとがめるほどゆっくりじっくり、ということはなくさくさく進んでおり、しかしあまりにさくさく進みすぎた所為なのか、リンクを去ろうとすると何度か客席から「おだくーん!」と呼び戻されていました。本当に何度も(苦笑)呼び戻されていて、その度にまた織田君がすごい速さで「はいはーい!」と言わんばかり*2に客席のほうに向かっていくのがおかしくて少し笑ってしまいました。このやりとりは織田君の親しみやすさと同時に彼とファンとの距離の近さをすごく感じることができました。

終わりに

ともかく、本来の目的とは少しずれたのですが、非常に楽しいショーであったのは事実でした。テレビで見るのとは全く違う楽しみもありましたし、テレビで見るような素敵な演技を見る楽しみもありました。
またショーとは別に、横浜にいる友人の家にお邪魔できたのも今回は良かったです。私が東京に向かうときは大概とんぼ返りで、友人の家に行ってみたいと思いながらも時間が無くてなかなか寄る事が出来なかったのですが、今回は近場でもあるのでそういうことができてよかったな、と思いました。

*1:ちなみにMWOのチケット情報を見て、うっかり仕事中に東京までの新幹線代や時間などを調べてしまったのはここだけの秘密です。

*2:実際にはそんな声は聴こえてきませんでしたけれども