ちえこ風呂具

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Fantasy on Ice 2015 in KOBE 7/4夜公演

あくまでこれは夏に披露されたアイスショーでの演技の感想を8月に書いたものです。一部書き足しはしていますが、殆ど修正していません。
前回のPIWのチケットを購入したあとで発表されたのがこのFaoI神戸公演でした。もちろん織田君の出演は公演が発表されたと同時に決まっておりました。年のはじめには関西のアイスショーで織田君が見れるとは思っていなかった*1まさか関西の、それも片道40分程度の会場で織田君の演技が見れるとは!ということでもちろんチケット購入の申し込みをしました。
この公演は先日のPIWとはまた違った楽しみがありました。まずスケーターが豪華。世界で活躍したスケーターが沢山出ていますし、それ以外にもアクロバティックなショーならではのプログラムもあります。そして私が一番感動したのは生演奏や生歌でのコラボレーションです。歌手のサラ・オレイン岡本知高、ピアニストの福間洸太朗、ヴァイオリニストのエドウィンマートンが歌や演奏でこのショーの世界観を作り上げていました。また観客の盛り上がりもすばらしく大半の人たちがほぼ全ての演技にスタンディング・オベーションをしていました。でもそれぐらいもうすばらしいプログラムの連続で、正直2部の最後のほうは脳が酸欠状態になっていたと思います。
このショーを見れたのは本当にラッキーでした。出来ることなら来年も神戸に来てほしいなあ、と思いました。
それでは個別のプログラムについて。大体登場したスケーター順で。でも織田君だけ最後に。

オープニングとフィナーレ

オープニングはサラ・オレインの歌から始まります。とても幻想的な歌声です。彼女の歌声に乗ってチームスケーティングが始まります。ゲストスケーターは宇野くん、祐奈ちゃん、の次に織田君とバトルの二人。この二人がイーグルから2Aを跳んでその後サイドバイサイドのステップを見せてくれたのですが、もう織田君ばかり見てしまいました。本当はステップの途中からジュベールが出てくるのですが、出てくるあたりはテレビ放送で流れるだろう、と思ってずっと織田君にロックオン。またこのステップが素敵だったんですよ。あのーうん、バトルのステップなんですけど、二人の息の合ったステップで見ていて気持ちよかったんです。それ以外もとにかく群舞は主に織田君をガン見する勢いで、なぜならテレビ放送で映していただけるかわからないからです。これがねえ、私の席はそんなに近いわけではないのですが、わかっちゃうんですよね。不思議とね。もちろん体つきも海外スケーターと並ぶと小柄なのもある*2のですが、スケートに特徴があるんですよね。みんなそれぞれ違うのですが、織田君の場合は人より足が伸びている感じがするんですよね。あと全体的な身体の動きが大きめなんですよね。ええ、織田君の群舞を堪能しました。フィナーレは岡本さんのボレロから、次々と出てくるスケーターの演技に心が躍りましたがやはり織田くんを中心に。が、なんとテレビではすんごい織田君映してくれていました…びっくりするぐらい…。さすが関西のショー。
最後はジャンプ大会と羽生君の挨拶がありました。ジャンプ大会というよりはプログラムでは見れない得意な技を見せようぜ、という感じだった気もします。アクロバットのヤキメンコとキャンデロロがバックフリップを見せたり、ジョニーと群舞のメンバーアイスダンスの技を見せたり、ジャンプに関しては羽生君主導なのかな?宇野君であったり織田君をけしかけるような仕草が何度か見れました。ランビエルが4トゥ(ちょっとバランス崩れてしまったけれども)を見せてくれたのは感動!宇野君羽生君はちょっと調子が上がらず。特に羽生君は負けず嫌いな彼らしく何度も挑戦していました。最後はスケーターが捌けて織田君だけが見守る中、ちょっとしたジャンプ練習みたいになっていました。織田君が脇を占める仕草をしていたのでアドバイスをしていたっぽいですが、お疲れだったのか成功しませんでした。
その後羽生君が観客に対する感謝の言葉と、神戸で天と地のレクイエムを滑ることについてのメッセージがありました。細かいニュアンスは覚えていないのですが、震災について多分日々感じているであろうことを一生懸命話していました。

青木祐奈選手「タイスの瞑想曲」

祐奈ちゃんは去年まではノービスで今年ようやくジュニアに上がる、13歳の選手です。でも13歳とは思えない表現力あふれた演技をしてくれました。4月に新葉ちゃんの演技を見た時もものすごく実感したのですが、今のジュニアは本当になめらかな演技をするなあ、と思います。あととにかく笑顔がかわいい!今後が楽しみな選手です。

トマシュ・ベルネル「Another Love」「Dreams as One」

とにかくなめらかやなー!というスケート。現役当時の競技のイメージがあんまり残っていない…というか金パンツとかへんなEXいっぱい滑ってたイメージばかり頭に残っていたので、こういうしっとりした曲を美しく滑りこなす姿にはちょっと感動しました。「Another Love」では宮本賢二さん曰く「私服」「普段着みたいな」衣装でしたが、却ってシンプルな服装だけに彼のスケートの美しさやスタイルの良さ、さわやかな顔立ちが引き立っていたと思います。「Dreams as One」はサラの生歌とのコラボレートでしたが、最後サラの手にキスして去っていきました(笑)。

イリナ・ウセンコのフラフープ

イリナ・ウセンコはトマシュがはけるときに、時が止まったかのようにスタンバイしているのですが、ここの流れがいいなあ、と思いました。で、トマシュが「どうしているの?」みたいな感じで眺めるんですね。で、トマシュはしばらく眺めているんですがあまりに動かないのでいたずら心が動いたのか、ハグしてはけていきました。これもトマシュらしいパフォーマンスですね。
彼女のフラフープのパフォーマンスはとても面白くて、特に最後の何重にもフラフープを廻すところがバネのおもちゃみたいですごいなあ、と思いました。

スリンキー

スリンキー

こんな感じのやつの中にイリナがいるみたいなの。面白かったなあ。

ジョニー・ウィア「カルメン」「You Raise Me Up」

カルメン」はテレビでも見ていましたが最初の登場からもう彼の世界が出来上がっていて、音のはまり方とかもすばらしくて、非常に情熱的で怪しいカルメンでした。「You Rase Me Up」といえば荒川静香さんの印象が強く残っているのですが、サラの生歌で演じる彼のプログラムもとても美しいものでした。彼の男性でもない女性でもない、でも男性でもあり女性でもある表現って本当に独特で、見ていてとても引き込まれていきました。とにかく音楽との調和がすてきでした。

鈴木明子さん「月の光」「XO」

あっこちゃんはここ神戸で「星から降る金」の完成系が見られるのでは?と思っていたのですが、金沢から演目を変えてきて福間氏のピアノとのコラボレートで「月の光」。ランビエルの振り付で去年のクリスマス・オン・アイスでも見ていたのですが、これがすっっっごい!美しいプログラムなのです。とにかくあっこちゃんのスケート、外見、すべての美しさを最大限に引き出したプログラムだと私は思っています。とても大好きだったので生で見れたのはとてもうれしかった!この演目を見たばっかりに「星から降る金」を見たとき「ああ、花は自分が美しいのを知らないのだ。あっこちゃんは自分の美しさをまだまだ引き出せていない」と思ってしまったと言っても過言ではないのです。衣装もとても良くて、暗闇で彼女がすべるたびに星のようにきらきらとスパコールがきらめくのもとても美しかったです。「XO」はビヨンセのナンバーでこちらはアマチュア時代によく滑っていた、あっこちゃんの力強さを感じさせる演目なのですが、肩の力が抜けた大人の表現になっていてこれもとても素敵でした。彼女の体の線やスケートの美しさを感じさせるプログラムです。

ブライアン・ジュベール「Time」「Time to say good bye」

ジュベールのTimeは何度もテレビで見ていて、トゥステップの使い方などに旧採点時代の名残を感じさせるプログラムだな...と思っていたのですが、生で見るとパワーがあってすごくよかったです。あと照明ともすごいあっていて、それだけで演技の印象って変わるものなんだなあ、とも思いました。Time to say good byeはサラと岡本さんの歌とのコラボレートで、こちらは新しいジュベール。とにかく曲にはまる滑らかな動きと二人の歌声にまったく負けていない力強いスケートに感動しました。ただただすばらしい。

安藤美姫さん「子守歌」「アメイジング・グレイス

子守唄はPIWでも見ましたが、こちらも美しいプログラム。この春ぐらいから見るみきちゃんは体も絞ってきてジャンプもスピンもすごく美しく、彼女らしい演技が戻ってきました。なぜメダルウィナーズであのような演技になったのか不思議なぐらい。アメイジング・グレイスは若干、岡本さんの歌に圧倒されているかのようでしたが(あまりにもパワーがすごすぎて)、あの音のなかを漂うようなスケートは素敵でした。

ハビエル・フェルナンデス黒い罠」「Bull Fighter」

黒い罠はカート・ブラウニング振り付けの去年からのEXナンバーですけれども、これが私すごく好きで、特にひざの使い方とかマイムのとり方とかほんとにほんとに好きなのですが、これが見れて良かったです。彼の明るいキャラクターとは全く違うプログラムなのですが、だからこそいいというか彼の男性らしさとか端正な顔立ちとか、あと鍛えられた腕の美しさとか、また彼の巧みなスケーティングとかそういうものが引き立つ素敵な演技でした。Bull Fighterは宮本憲二さん振り付けの闘牛士プロ。こちらもマイムたっぷりなのですが、黒い罠とはうってかわってとってもユニークでキュートで楽しいプログラム!特に牛が客席に向かってしまった後のターンしながら投げキッス、投げキッス、ぼくしらなーい!のあたりが本当にかわいいんですよね。これも素敵なプログラムでした。

フィリップ・キャンデロロ「三銃士」

長野でフィギュアスケートを好きになった私にはとてもなつかしいプログラムでした。正直キャンデロロの演技をまた見れるとは思っていなかったし、それもまさか生で見れるとはれるとはこのショーのチケットを購入した時は思ってもなくて、なので却って見た瞬間「ああ、キャンデロロがここにいるのだ。そして当時熱狂したあのプログラムを滑っているのだ」と思った途端、うわっと胸が熱くなりました。昔のような若々しさはないですし、ジャンプのキレもないのですが、演技そのものはなんといっていいのかすごく良くて、とにかく音楽との調和がすばらしくて感動しました。あと相変わらず観客へのサービス精神がすばらしいというか、当時から変わらぬ華やかさがあって多分彼を知らない若い方もそれなりにいたと思うのですが、とても盛り上がりました。

ステファン・ランビエル「プレリュード」「誰も寝てはならぬ

ラフマニノフのプレリュードは福間さんとのコラボレート。これはとにかく福間さんのピアノがすばらしく、すばらしく、すばらしかった!!今でもあのピアノの音色が耳に残っています。またそれにあわせて滑る(現実には福間さんがランビエルのスケートにあわせてくれているのですが)ランビエルがとても優雅で貴公子然としていて美しいなあ、と思いました。誰も寝てはならぬのほうは岡本さんの歌とのコラボレートでこれもすばらしかったです。音と音の隙間も逃さず振り付けにしてしまうところがランビエルのすばらしさだと思います。

羽生結弦選手「SEIMEI」「天と地のレクイエム」

SEIMEIは今シーズンのLP。天と地のレクイエムはEXです。両方ともにまだ未完という印象でしたが、どちらもある意味彼らしさのあるプログラムであったと思います。私はどうも筋の違う期待をしまっていららしく、もっと違う羽生くんが見れるのでは、と思っていました。でもそうじゃないんだな、彼は彼にしかなれないんだな、と見ていて気付きました。そしてそのことを無性に実感したのはパンフレットのインタビューでした。彼は演技をするときに自分に入り込みすぎてしまう、と言っていました。私が見た彼の印象もまたそうでした。何かを演じる、というよりは内にある何かをさらけだしていくような表現が彼のスケートなのだとしみじみ思いました。振り付けの一つ一つに神経を行き届かせ音を表現するというよりは、彼がその音楽そのものと一体となってその中に自分を思いを入れ込んでいくのが彼のスケートなのだと、そして人はその中に感動するのだと気付きました。特に天と地のレクイエムはそのことをすごく感じました。特にこのEXナンバーを見た直後は「私は何に感動しているのだろうか、何に胸を振るわせるのだろうか」と思わず考えさせられたのですが、理論で理解しようとせずただ純粋に彼の感情を受け入れればよいのだろう、という結論に達しました。

メーガン・デュハメル&エリック・ラドフォード「One Love」「Your Song」

私はペアはそこまで見ないので何かいえることがあるかといえばないのですが、ペアは両方にパワーがないとよいプログラムは生まれないんだよなあ、と彼らのリフトを見ながらしみじみ感じました。デュハメルの筋肉があの安定したリフトやデススパイラルを成し遂げているんだなあ、と。

エフゲニー・プルシェンコ「トスカ」「カルミナ・ブラーナ

トスカはエドウィンマートンのヴァイオリン演奏とのコラボレート。個人的に楽器弾いてる人が好きなので真ん中で演奏されるとどちらを見て良いのかわからなくなって、私の中でプルシェンコのイメージがすっかりマートンに押されてしまった感じになってしまいました。プルシェンコ自身も彼を避けながらの演技になってしまうのでパワー抑え目になってしまっていたのかもしれません。でもこのコラボレートはショーとしての見ごたえがありました。カルミナ・ブラーナはアマチュア復帰を感じさせる演技でした。旧採点時代から長く競技で戦ってきて故障も抱えて、そんな彼が今またアマチュアに戻るというのは決して楽な道ではないと思いますし、振付も今の時代の頂点に立てるものかといえばそうではないかもしれない。けれども彼のチャレンジ精神には本当に頭が下がる思いがします。見ていてそんなことを考えさせられるプログラムでした。

宇野昌磨「Legend Wold」

PIW横浜のテレビ放送でも見たSPでした。なんというか、大人になったなあ、としみじみ感じるプログラム。彼のスケートには不思議な色気があってそれが音楽にとても似合っていると思いました。ジャンプはちょっと調子が上がらなかったようなのですが、スピンもステップもとにかくトータルでどこもかしこも優れているなあ、と思いました。これからどんどん成長していったらどうなるんでしょうか、すごいことになるんじゃないか、という期待感があふれる演技でした。

ジェフリー・バトル「Uptown Funk」

とにかく踊る!楽しい!そんなプログラムでした。ランビエルもそうなのですが、プロスケーターというのはこういうものなのだ、と思わせられる演技でした。観客を魅了させる、楽しませる、そのために今まで培った技術を使う、技術の精度を上げていく、それがプロの役割なんだと。彼は本当にエンターテイナーだなあ、と思いました。

アレクサンダー・チェスナ&エカテリーナ・チェスナのエアリアル

リンクでエアリアルというのは大変危険ではないか、と思うのですがもうすごい。すごいとしかいいようがない。布に乗って静かに飛んでいく姿は感動しかありませんでした。飛び上がっていく瞬間、会場から「おおおお…」というどよめきが聞こえてきました。私の席は2階席だったのですが、そこから見ても十分高い。くるみ割り人形の音楽に合わせた優雅で美しくて、そしてダイナミックなパフォーマンスでした。アイスショーにおいてスケート以外をメインとしたパフォーマンスでこれだけのものが見れるというのはすごいなあ、と思いました。

織田信成君「愛の夢」「ダースベイダー」

最後の最後に織田君レポート。FaoIは金沢公演から織田君の演目は一部はリバーダンスか愛の夢、二部はダースベイダーに変わりました。私はリバーダンスを見たくて購入したチケットでありながら、この公演が始まる直前から「愛の夢が見たい」と熱望していました。とにかく幕張公演での愛の夢に心奪われてしまっていたのだと思います。そしてありがたいことに「愛の夢」が見れたのです。愛の夢は本当に美しいプログラムでした。
とにかく全ての動きによどみがないのです。ジャンプ、スピン、ステップ、ターン、スパイラル、首、腕から手の動き、その振付が全て音楽にすっぽり収まっていて、まるで彼の指先やスケートからピアノの音色が流れているような錯覚を覚えました。とにかくジャンプは何を跳んだのだとか、つなぎがどれだけすばらしいかとか、そのようなことは全く考える事ができないのです。「愛の夢」という美しくやさしい世界に漂っているかのようにぼんやりと眺めるだけになってしまいました。そして終わった後は胸がいっぱいになってしまいました。
ダースベイダーは、PIWの時はまだオチを考えていた模様でしたが開脚でダウンするので決定した模様。織田君の楽しいプロは関西の人たちにとっても受けていたように思いました。うっとりさせて、笑わせられて、こんなに全く違うプログラムを見せてくれるなんて、贅沢だなあ、と思いました。
最後のジャンプ大会ではなんと織田くんは最初に4回転トゥループ、その後羽生君に押し出されるように4トゥ-3トゥのコンビネーション、その後4トゥ-3トゥ-3ループ(コケ)のコンビネーションを見せてくれました。生で見る織田君の4回転ジャンプはとても美しかったです。

*1:関西でのショー自体が少ないので。当初は神戸チャリティーの日程も決まっておりませんでしたし、THE ICEの特別出演も決まっていませんでした。

*2:前回のPIWは結構迷いました。なぜならみんな日本人だから…