ちえこ風呂具

日々の事とかTOKIOとか織田信成君とかフィギュアスケートとか

槙村さとる『Real Clothes』1〜5巻(ネタバレあり)

Real Clothes 5 (クイーンズコミックス)

Real Clothes 5 (クイーンズコミックス)

読後の一言は「なんだかプラダを着た悪魔の仕事を取っちゃった版みたいだなあ」でした。
お話は、大手デパートのふとん売り場で売上トップを誇る、しかし本人はあまりイケてないセンスの主人公天野絹江が、突然花形である婦人服売り場に異動になり、その中で自分の人生における価値観や恋愛などに悩みながら…えー出世していく話です。
槙村さとるの長編漫画は出世モノが多くて、それは職業的な意味だけでなく人生や女性においての出世モノという感じで、未熟な主人公がなにか(誰か)に依存せずに一人で立って生きていける人間に成長していく、というのがこの作家のテーマみたいなものになっています。その中でも女性漫画と恋愛は切っても切れないものなのですが、槙村さとるの漫画の中での恋愛は美しく完成されたり、切り捨てられたりしていまして、今回は主人公の実際の職業的な出世とともにそのあたりが私の気になるところ。
ちなみにこの作家の漫画に出てくる主人公と恋愛関係に陥る男性というのは大体三つに別れていまして、

  1. 人間的には決して完成されてないが非常に才能溢れており、主人公が尊敬する男性
  2. 平凡だが相手を包みこむ人間的に完成された男性
  3. 一見優しげで人間が完成されているように見えるがエゴイズムの塊で、尚且つ才能も溢れていない男性

で、上二人の場合は上がったり下がったりしつつもの美しく完成されるのですが、下一人はどろどろになって最後にはばっさり切りすてられてしまいます。
というわけでここからネタバレ
今回のお話では最初に良い恋人関係を築いているように、人間が出来ているように見えた達也(!)が、父親の死をきっかけに元々持っていたエゴイズムを剥き出しにしてしまい、その結果この恋愛はサヨウナラとなってしまいました。平凡な男性は大概ここで切られてしまうなー…と思いつつ、じゃあ次はあるのかな、とうちの妹と話していたんですが適任者があんまり…という現状。田渕大明神が一番有力候補なんですが、い、いやだ…なんか嫌だから新しい誰かが出てきてくれないかな…。作風を考えるとニコラはなんかなさそうだし、でもそこでニコラとくっ付いたら面白いですねー。まあむしろ恋愛そのものをすっとばす可能性も高い気もするのですが。
あとは多分美姫様の精神的に弱いところが出てきてがーん!とか、絹江の母親や祖母あたりの、人生の根幹を揺るがすような部分が剥き出しになってきてどーん!とかまだまだ波瀾のありそうな現状です。10巻ぐらいになるのであれば、という話ですが。
しかしだな…田渕大明神は5巻のセクシーショットが強烈でした。スッパで寝てるのかよ…リアルで益々いやんな感じです…。パンツぐらい履いて寝ろよ!みたいな(笑)。