全日本フィギュアと織田君現役引退といろいろ

全日本フィギュア選手権が始まってからフィギュア漬けになってしまいました。すごい試合でしたねえ。あまりに余韻に浸り過ぎてうっかり少クラプレミアムの存在を忘れてしまうところでした。大変危険です。
男子シングルは激戦で、オリンピック選考という事を考えると胸が痛みましたが、内容はいいものが多かったですね。
私は特に小塚選手のショートの演技が好きでした。とにかくスケート自体がすごく美しくて、シンプルってわけでは全くないんですけど、情感とかそういうものを演じなくてもスケートそのもので感動できるんだなあ…と思わせる演技でした。高橋選手は怪我の所為で辛い思いをしました。彼が故障でグランプリファイナルを辞退した時「全日本は大丈夫なのか？出れるのか？」と思いました。でも全日本を出ないということはオリンピックをあきらめるという事と同意なのでどうしたって出るだろう、だとしたらどこまで治してくるだろう、と考えていたのですが、治りきってないように思いました。そして私の一押し、織田選手ですが、相変わらずメンタルに弱い部分が出てきて…でもザヤックは回避できたので頑張ったなあ、と思いました。ステップはショート、フリーとも終始笑顔で本当に楽しい演技を見せて貰ったと思います。
結果としてオリンピックには羽生選手、町田選手、高橋選手の3人となり、小塚選手は3位ながら去年からの不調がたたって世界選手権まで外れてしまいました。織田選手はグランプリファイナルでトップに立てず、全日本でも表彰台を逃して結果、選考外になってしまいました。
全日本の結果が出る前は厳しいながらも織田君にオリンピックに出て欲しい、と思っていたし、男子シングルの試合が終わった時点では高橋、小塚で最後の枠を争うならば小塚君が出て欲しい、と思っていました。でも決まったらすとん、と納得できるものですね。元々誰が選ばれてもおかしくはない状況でした。もちろん、織田君、小塚君の気持ちを考えると胸は痛むのですが、スポーツというものは恐ろしいぐらい残酷な結果が出る事がままあるんですよねえ。
そして織田君は派遣が決まっていた四大陸選手権を辞退して今回で引退となりました。きっとオリンピックと世界選手権の選考から漏れたら辞める、とどこかで決めていたんでしょうね。エキシビジョンのラスト・サムライは渾身の演技で、素晴らしい有終の美を飾ってくれました。織田君は色々あって…優等生な選手ではなかったのですが、でも最終的にあれだけ愛されて惜しまれる最後となったのは良かったなあ、とつくづく思います。今後もしばらくショーに出るということなので、今度はプレッシャーの少ない場所で素敵な演技を見せて欲しいです。あとコーチになるとの事でしたので、またキスアンドクライで織田君が見れる事を楽しみにしています、宮原選手のコーチをしている田村君のように。
女子シングルは鈴木選手がすごかったー！村上選手も、宮原選手も、今井選手も良かったけれども、鈴木選手の圧巻の演技にはかないませんでした。とにかくショート、フリーともに目頭が熱くなりました。特にフリーなんですけど、私…実は以前これやって欲しいなーという演目がこの「オペラ座の怪人」だったんですよねー。それをまさか、パーフェクトな演技で見れるとは思いませんでした！最初のマイムのところからラストの表情まで感動の連続でした！理想の「オペラ座の怪人」でした。
そして女子一押しの浅田選手でしたけれども、こちらは腰痛が出ていたようで、ミスを連発してしまいました。残念だったとしか言いようがありませんが、オリンピックまできっちり調整しきってくれることを願うばかりです。
ちなみに鈴木選手の点数に色々言われる方もいるようですが、私は今回の点数に何の疑問もありません。フィギュアスケートは点数の積み重ねです。単純に一つのジャンプ、ステップ、スピン単体だけでは判断しづらい部分があります。また毎年何かしらルールが増えたり変わったりするところがあるので、過去の点数と比べるのもおかしなことだと思っています。「世界最高得点」と言ってもフィギュアスケートは陸上やスピードスケートのように明確な数値を競い合うものではないと思うので、そういう騒ぎ方も私の中ではよく解らなくて、ただ、今ベストを尽くした演技に高い得点が出る、ということだけを受け止めています。
あと、フィギュアにおけるいい演技というのはやっぱりノーミスであることだと思います。何年もフィギュアを見てきて、どれだけノーミスの演技が少ないか！そういう事を考えるだけでもノーミスで演技を終えるということがどれだけ価値のあることかわかると思います。