ちえこ風呂具

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織田君のアディオス・ノニーノ

もう先月の話なるのですが、去年の冬に行われたクリスマスオンアイスのBS放送がありました。地上波では見れなかった織田君の今季のプログラム「アディオス・ノニーノ」も入っていたので、ようやく大きい画面で見ることができました。
このプログラムは見ていてすごく…すごくいいものでした。ラテン音楽というと日本人の男性スケーターではなんとなく高橋君で、織田君はどちらかというとジャズのイメージがあったのですが、織田君にもこういう表現が出来たんだなあ、と思いました。そういえば今季は小塚君のSPもタンゴ、どちらも振り付けが宮本賢二さんで、どれも全く違う彼ららしい個性のタンゴです。織田君の場合は思いっきりタンゴ、というプログラムではないですが、随所に入るタンゴ特有のタップであったりターンであったりがスパイスのように効いています。壮大な曲調のところでは織田君の持ち味である伸びやかなスケーティングも堪能できますし、すごく緩急のバランスが取れたいいプログラムだなあ、と思いました。ステップが頭のてっぺんからつま先まで使っていて、でも余裕があるところがとてもショープログラムらしいです。特にタップのようなステップが好きで、氷の上を掠めるように軽くて、でも早くてすごくキレがあって、とてもタンゴらしくてどう説明していいのかうまくいえないんですけれどもとにかく気持ちがいいんです。間に入るツイズルや短いイーグル、足上げのターン、どこを見ていても神経が行き届いていてとても丁寧。スピンはアマチュア時代のように非常に多彩で軸もぶれず綺麗なのですが、以前よりもスピードがあり情熱的でもあります。3回転ジャンプも現役と変わらずとても流れがあって、でも以前よりもなんだか迫力を感じます。
タンゴというのは熱い音楽なので、このプログラムにもこれまでの織田君にはないセクシーな表現もあります。でも彼から生まれるセクシーさというのは熱く燃えたぎるような色気ではなく、熱さの中にふっとため息のようなやわらかさとせつなさを感じます。
またこの1月に行われたMEDAL WINNERS OPENでは競技プロの手直しも行われまして、ショープログラムとは違った演技が見れました。見所はなんといっても4T-3Tのコンビネーションジャンプ!ふわっと跳んで、着氷もすごく綺麗でした。こんな綺麗な4回転のコンビネーションジャンプあったっけ??と思うぐらい。最大に点数がもらえるようコンビネーションスピンも2回から3回に増えてますしトランジションも多彩になっているのですが、その代わりにのびやかなスケートを見せる部分は少し抑え気味になっています。そこがちょっともったいない気もします。あと3Aがリンクの端ギリギリになってしまってステッピングアウトになってしまったのと、3Fの軸が曲がって転倒になったのが惜しいのですが、これもうちょっと明るいところであったら?もうちょっとリンクが広かったら、綺麗に決められたような気もします。ステップは変わらないように見えたのですが、ショープロに比べるとちょっと余裕がないようにも気もしました。できたらもう一回ぐらい見せてほしい!もうちょっと滑り込んだらもっといい演技ができそうな気がしました。1回だけの披露がもったいないぐらいです。
ともかくも織田君は本当にプロになって新しい世界が出来つつあると思います。また次はどんなプログラムが、新しい表現が見られるのでしょうか?このプログラムを見て本当にそう思いました。今年もとても楽しみです。