ちえこ風呂具

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ドラマ版「リアル・クローズ」を見ましたよ

原作を読んだ時も「プラダを着た悪魔」に似てるよなーと思ったんですが、ドラマはひどかったですね…。冒頭からあからさまに映画のシーンを切りとってましたね。美姫様の執務室(あれってペシェ・ミニョンなのか?)に書類を出すシーンとか、美姫様の「結構」とか、絹江の変身後とか、なんにも言わずに仕事すっぽかしちゃうところ(プラダ〜だとミランダとの決別シーンに近いかな…と)とか思いっきり被っていてびっくりしました。
大体、プラダを着た悪魔とこの漫画はストーリーの根本的な部分が違っていて、その根本とも言える部分がフェミニズム的な、非常に槙村さとるらしい部分なのです。そしてそこがこの漫画の魅力、と同時に彼女の漫画における好き嫌いがきっぱり別れるところなのですね。でもドラマではすっかりその部分をカットしてインパクトのあるシーンのみが反映されていたので、なんだかセットにしても内容にしてもすごい薄っぺらいドラマになっていて、すごく残念でした。
というかタイトルの「リアルクローズ」という意味が「着廻しのできるけどオシャレな服」をいう意味でしょう?原作はそのあたりを結構要所要所に置いてるシーンがあるのですが*1、そういうところも完全無視でしたし、絹江の「どう生きるか」という絶えず零れ落ちる不安定な心理も全然出てきませんでしたしね。
まあ、単発ドラマにするには非常に難しい内容だったので(一話完結とかで進むお話じゃないですしね)、薄っぺらいのは仕方ないと言えばそうなんですけど、なんで態々関係ない映画のシーンを切りとってきたのかがわかりません。ドラマのスタッフは何がしたかったんでしょうね。うーん残念。目の付け所は悪くなかったのにもったいないドラマでした。

*1:例えば絹江がディスプレイする時の「スタンダードなもので、すっきりしてこわくないこびてない、でもステキな服」というシーンやパリへ買いつけの時の「私だったらアクセサリーは1万円以内で抑えたい!」シーン等