ちえこ風呂具

日々の事とかTOKIOとか織田信成君とかフィギュアスケートとか

久美沙織『ここは魔法使い育成センター』1〜5巻

ライトノベルの新刊チェックなどしない私は、この作品の4、5巻が何時の間にかでていた事に今の今まで気付かなかったのでした。いや、平積みになったりしないしね…。
作品としては、非常に読むものを選ぶ小説です。妙な理屈っぽさと説教臭さと、なのにとんでもなく行き当たりばったりなところがあるのであんまりもろ手を上げてお勧めはできません。妙なパロディ的な部分も多いから真面目に読むと辛いでしょう。でも軽く読もうと思っても理論的なところで引っかかるという…非常にマニアックな作品です。正直3巻を読んだ時は「続刊なし」と言われてもおかしくない作品だと思ったのですが、ちゃんと続いてるようでよかった。
尚且つ4巻の展開では5巻で終わるのかも…?という気配もしたのですが、なぜか不思議と!纏らずにこのまま6巻に続くようです。ホントびっくりです…なんかすごーくイイ感じに纏りそうな気配がしてたのになー…。いやまあ…いいんですけど…続きが読めるなら。
ちなみに内容は、「もし現代の日本に、限られているけれども普通に魔法使いが存在しているとしたら、国家としてどういった対応するのか。そして本人及び周囲はどう暮らしていくのか」というテーマで進んでいると思われます。あと5巻の終わりに作者が書かれてましたけど「強くないヒーロー」というのもひとつのポイントかな?主人公の瑛蘭君は「贖いの聖者」という存在で「許す」事が大きな能力になっています。「許す」ことで人々を助け、救っていく。ちなみに彼はその「許す」事で生死を行き来しており、すごいしんどい思いを何回もするわけですが*1、でも許してしまう。多分私はこの瑛蘭君の特殊な能力がすごーく好きなんだと思います。瑛蘭君には「アンパンマン」に通じるものを感じます。ちなみにアンパンマンも好きなんですね。自己犠牲なしに、自分が傷つくことなしに人を救うことはできない、という思想に私はとても共感する…というか憧れるのです。なので毎回死んでしまうというのに、またそれもふわっと死ぬのではなく高い処から落下するとか、津波に流されるとか、ワニに内側から食われるとか悲惨な死にかたをするにも関わらず、それでも許してしまう瑛蘭君に多大な憧れを抱いてしまうんですね。まあそれも本人自身がよくわかってないけど何故か自然に許してしまう…というのがなんというか彼のすごいところ…というよりも唯一共感しきれない部分なのかも。色々考えてる割にそこんとこに対する葛藤とかってあんまりないんですもんねえ。
ホント5巻になって唐突の新展開!で、非常に今後が気になるのですが、なによりも「だんまり」「みずたまり」と続いて「まり」が後ろにつく言葉がはてさて、あと11個も作れるのだろうか…というのが気になる。私は「ふきだまり」と「おだまり」ぐらいしか出て来ないんですけど。やっぱりここは「奈津木マリ」とか「片見マリ」とかで攻めるのかなあ。いやいや久美沙織の事ですから私の想像つかないなんかすごい名前が出てくるのかも?かも??

*1:なんせその度に死ぬ